-持続可能な発展とは-なぜグッドライフは再エネビジネスをするのか
株式会社グッドライフ代表取締役
小泉翔建
最近、「気候変動」という言葉を聞かない日はないように感じます。
実際、自分自身もこの数年で環境の変化を強く実感しています。
子どもの頃と比べても、夏の暑さは明らかに違いますし、昔はそこまで意識されていなかった熱中症対策が、今ではスポーツ現場でも当たり前になりました。
私は高校まで野球をやっていましたが、最近では高校野球の「7回制」が議論されるようになっています。もちろん賛否はあります。野球は9回だからこそ面白い、という考え方も理解できます。一方で、今の暑さの中で子どもたちの健康をどう守るのか、という問題も現実として存在しています。
自分たちの世代では当たり前だったことが、次の世代では当たり前ではなくなっている。
その変化を目の前で感じています。
また、最近では長野県内でも市街地近くにクマが出没するケースが増えています。もちろん、原因は単純ではありません。ドングリの不作、里山管理の変化、ナラ枯れなど、様々な要因が重なっています。ただ、その背景には気候変動による環境変化も関係していると言われています。
「農業、自然環境、暮らし。
色々なところで、「これまで通りではない」という変化が起きている」
そうした中で、私たちはこれからどんな社会を目指すべきなのか。
そして、その中でなぜ再生可能エネルギー事業を行うのか。今回は率直に書いてみたいと思います。
これまでとこれから
正直に言えば、最初から強い理念があってこの事業を始めたわけではありません。
太陽光発電を始めたきっかけは、土地活用の一つとしての側面が大きかったと思います。
ただ、事業を続ける中で、自分自身の考え方は大きく変わりました。
住民の方から反対の声をいただくこともありましたし、「再エネは本当に必要なのか」という意見もたくさん聞いてきました。特に長野県では、かなり早い段階からメガソーラーへの反発が存在していました。
それでも事業を続けている理由は、これからの社会において「電気をどう確保するか」が、ますます重要になると感じているからです。
今、AIやデジタル化が進み、世界的に見ても電力需要は増え続けています。
企業活動においても、地域社会においても、安定したエネルギー/電力をどう確保するかは、非常に重要なテーマです。
その中で、火力発電や原子力だけで今後の需要を支え続けることができるのか。
私は、長期的には難しいと思っています。
もちろん、再生可能エネルギーにも課題はあります。
だからこそ、「再エネだから正しい」という単純な話ではないと思っています。
地域との合意形成を無視した開発は、結果的に地域との信頼関係を壊してしまいます。
景観、防災、森林開発――そうした不安の声があることも理解しています。
実際、近年は「再エネは高い」「再エネは不要ではないか」という声も増えています。
電気料金上昇の中で、再エネ賦課金への不満が強くなっていることも背景にあると思います。
ただ一方で、化石燃料や原子力にも、目に見えにくいコストがあります。
海外から資源を輸入し続けることのリスク、燃料価格高騰の影響、災害時の脆弱性――そうしたものを含めて考える必要があると思っています。
だからこそ、単に「再エネを増やす」ということが結論ありきではなく、地域と対話しながら、どういう形なら地域にとって意味のあるエネルギーのあり方になるのかを考え続けることが必要なのだと思います。
「電気を生み出す」とは
そして、これはかなり感覚的な話なのですが、自分で発電所を作ると、「電気を生み出す」という感覚が大きく変わります。
普段、電気はあって当たり前です。
コンセントを差せば使える。スイッチを押せば点く。
でも、太陽光発電所を作ると、その電気でEVが充電できたり、工場が動いたりする。
その瞬間、「ああ、自分たちは社会を支えるエネルギーを作っているんだ」と実感するんです。
それは、すごく誇らしいことだと思っています。
もちろん、綺麗事だけでは会社は続きません。
理想だけでは社会は変わらない。
だからこそ、会社として継続していくことも重要です。
高い理念やビジョンを持っていても、事業として成り立たなければ、それを実現することはできません。
利益を出すことも必要ですし、継続できる事業体制を作ることも必要です。
ただ、その利益が「何のためにあるのか」は、常に考え続けなければいけないと思っています。
持続可能な発展とは
1987年に公表された Our Common Future では、「持続可能な発展」が、
将来世代が自らのニーズを満たす能力を損なうことなく、現在世代のニーズを満たすこと
と定義されました。
私は、この考え方が非常に重要だと思っています。
今だけ良ければいい。カネだけ得られたらいい。自分たちだけが良ければいい。
そういう社会のあり方ではなく、自分たちが受け継いできたものを、次の世代にも渡していく。それが本来の私たちの文明における「発展」なのではないかと思います。
”だからこそ、自分たちの仕事が、単なる利益追求ではなく、「次世代に価値を残す仕事」でありたい。”
100年後に、「あの時代にこういう取り組みをしてくれた人たちがいたから、今の暮らしがある」と思ってもらえるような仕事を、少しでも積み重ねていきたいと思っています。
再生可能エネルギーとは、単に電気をつくることではありません。
どんな未来を選ぶのか。どんな社会を次世代へ残していくのか。
その問いにどう向き合うかということなのだと思っています。
株式会社グッドライフ代表取締役
小泉翔建