産業用(事業用)太陽光発電とは
新しく始まった、国の再生可能エネルギー買い取り制度
平成24年7月1日から、「電気事業者(※)による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」により、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が始まりました。
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」とは、再生可能エネルギーで発電された電気をその地域の電力会社が一定価格で買い取る事を国が約束した制度になります。
再生エネルギーの定義として、風力発電、水力発電、太陽光発電、バイオマス発電、地熱発電が挙げられますが、例えば太陽光発電を見てみると、調達区分が10kw以上だと27円(+税)で20年間固定というような形になっています。そして、産業用太陽光発電とは発電施設が10kw以上の事を指す言葉になっています。
<平成27年度 買取価格表 資源エネルギー庁>
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kakaku.html
「産業用太陽光発電」という、新しい考え方
なぜ、それが産業用と呼ばれるのでしょうか?
- 新しい固定買取制度
太陽光発電においては、平成24年7月1日以前から買取制度は存在していましたが、以前(2011年4月)は10年間の固定買取期間で、住宅用が1kwあたり42円で余った電気【余剰】しか売る事ができませんでした。
しかし、平成24年7月1日以降の固定買取制度から出力が10kw以上の発電設備からは発電した電力を全て買取る制度、全量買取が始まりました。これにより、これまでは余った電力しか売ることができなかったものが、全て売ることが出来るようになりました。
そして、この制度の通り、これまで買取期間が10年であったものが、20年となったために事業として太陽光発電を考えられるようになりました。
- 国の産業促進プロジェクト
固定買取制度では、価格、期間と共にもう一つ重要な事があります。
それは、電力会社が買っている再生可能エネルギーの代金には私達が日々支払っている電気料金の中に含まれているという事です。
これは、国が国民にお願いしている制度になり、再生可能エネルギー賦課金というものです。
これは、国が国民にお願いしている制度になり、再生可能エネルギー賦課金というものです。
<再生可能エネルギー賦課金 資源エネルギー庁>
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html
この制度が出来た理由は、経済産業省のサイトにも記載がありますが、再生可能エネルギーを普及させ、日本のエネルギー自給率を上げなければ燃料費が高騰してしまい、結果私達の負担が多くなってしまうためです。
そのため、国はこれを産業促進としており、産業用太陽光発電と呼ばれる理由でもあります。
現在、この制度を利用して、これまでにない新しい土地活用、資産活用として産業用の太陽光発電施に注目が集まっています。
固定資産税の軽減措置
太陽光発電設備を設置すると、償却資産税が課税されるようになります。
太陽光発電システムに対する税金になります。
太陽光発電システムは法定耐用年数が17年となっているため、17年間は減価償却として経費を計上する事ができます。
この減価償却に対し掛る税金が償却資産税になります。そして、この償却資産税に対して優遇措置が再生可能エネルギーの固定資産税の軽減措置になります。
具体的には、新たに償却資産税が課税される年度から3年度分は課税標準価格が3分の2になるというものです。
以下、経産省のサイトから抜粋
(http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/support/120612koteisisan.pdf)
再生可能エネルギー発電設備に係る固定資産税の軽減措置
制度概要
- (1)根拠法令
- 地方税法附則第15条第37項、地方税法施行規則附則第6条第60項
- (2)対象設備
- 固定価格買取制度の認定を受けて取得された再生可能エネルギー発電設備。
但し、住宅等太陽光発電設備(低圧かつ10kW未満)を除く。 - (3)スキーム
- 対象設備について新たに固定資産税が課せられることとなった年度から3年度分の固定資産税に限り、課税標準を、課税標準となるべき価格の2/3に軽減する。
- (4)適用期間
- 平成28年3月31日まで(に取得された設備が対象)
固定資産税でもう一つ大切なこと
太陽光発電を土地の上で行う場合、土地の地目は雑種地となります。
もともと雑種地であれば問題はありませんが、太陽光発電システム設置前が農地の場合事業開始後の固定資産税が変わってまいります。
今までは農地として課税されていたものが、雑種地として課税対象になる為、年間の固定資産税が変わってきます。
太陽光発電に関わる情報
現在、国は再生可能エネルギーを推進しており、産業用太陽光発電も、風力や水力などの再生可能エネルギーとして大きな注目を集めています。
太陽光発電を含む、国の再生可能エネルギーに関する情報は、経済産業省・資源エネルギー庁のサイトに掲載されています。