太陽光発電投資の節税、税金対策について!自家消費型とはなにか

2021.7.06

他の記事では太陽光発電投資のメリット、デメリット(リスク)や様々な制度、太陽光発電の買取の価格、メンテナンス、ランニングコストなども掲載しております。

導入の際に後悔しないためにも電力の節税の対策や固定価格買取制度、活用事例、失敗しないための太陽光の選び方なども紹介しています。

太陽光発電投資の節税|経費額

毎年国に納める法人税や所得税の額は、以下の計算式によって求められます。

 

所得税(個人事業主の場合)…課税所得(売上-経費-各種控除額)×所得税率

法人税(法人の場合)…課税所得(売上-経費)×所得税率

 

所得税や法人税の額を抑えるためには、経費の額を高くすることがポイントです。

経費の額が高ければ、それだけ課税所得額が低くなり、所得税や法人税の額も安くなります。

まずは税額を理解し、しっかり税金対策をすることで利益を残すことができます。

太陽光発電投資の節税|減価償却費

太陽光発電投資では、節税のポイントである経費の額を高くできます。

なぜなら、太陽光発電設備の購入にかかった費用を、減価償却費として毎年経費に計上できるからです。

ここでは、減価償却費の内容と計算方法について説明していきます。

減価償却費は毎年計上できる経費

減価償却費とは、「減価償却資産」を、税法上の耐用年数である「法定耐用年数」に分けて計上した費用です。

減価償却資産とは、購入価額10万円以上で、毎年価値が減っていく資産を指します。

減価償却資産は、原則として、その年に一括経費にできず、法定耐用年数に分けて経費に計上しなければなりません。

太陽光発電設備は減価償却資産で、法定耐用年数は17年です。

つまり、太陽光発電設備の購入にかかった費用は17年に分けて、毎年経費に計上できます。

そのぶん、毎年の課税所得額が安くなって、節税ができるのです。

どれくらいの額を経費に計上できる?

太陽光発電設備を減価償却する際は、以下2つの方法から、好きな方を選択できます。

  • 定額法
  • 定率法


「定額法」は、毎年一定額を償却していく方法です。

例えば、太陽光発電設備の購入価額が1,700万円の場合、毎年の減価償却費は、これを法定耐用年数の17年で割った100万円になります。

「定率法」は、毎年一定割合(償却率)を償却していく方法です。

償却率は法定耐用年数ごとにそれぞれ定められており、投資型の太陽光発電設備の場合は11.8%です。

1年目は購入価額に償却率11.8%を掛けた額、2年目以降は残存価額(購入価額からそれまでの減価償却費を引いた額)に償却率11.8%を掛けた額が、減価償却費になります。

 

例えば、1,700万円の太陽光発電設備を購入した場合、1~3年目までの減価償却費は以下のとおりです。

 残存価格減価償却費
1年目1,700万円200万6,000円
2年目1,499万4,000 円176万9,292円
3年目1,322万4,708円156万515円


投資型の太陽光発電設備の場合、10年目以降の減価償却費は毎年、10年目時点の残存価額の12.5%になります。

定率法では、途中から償却率が変わり、それ以降の減価償却費が同じ額になります。

 

1,700万円の太陽光発電設備の場合、10~17年目の減価償却費は68万6,398円になります。

定額法が毎年同じ額を経費に計上していくのに比べて、定率法は最初の額が大きく、段々小さくなっていくのが特徴です。

そのため、毎年一定の節税をしたい人には定額法が、最初の方の節税効果を高くしたい人には定率法がおすすめです。

太陽光発電投資の節税|自家消費型

太陽光発電には「投資型」の他に、「自家消費型」もあります。

自家消費型とは、発電した電気を自社で使うことを目的とした太陽光発電です。

関連記事:SDGsへの対応に自家消費型の太陽光発電システムを導入するメリット

自家消費型の場合、以下の条件に当てはまる中小企業や個人事業主は「中小企業経営強化税制」が受けられます。

  • 資本金or出資金が1億円以下の法人
  • 資本金or出資金を有さない法人で従業員数1000名以下
  • 従業員数1000名以下の個人


この税制優遇を受ければ、さらなる節税が可能です。

即時償却or税額控除で節税が可能

中小企業経営強化税制では、令和3年3月31日までに、生産性向上または収益力強化にあたる一定の設備を購入して、事業に利用した中小企業や個人に対し、税制優遇の措置が与えられます。

この一定の設備には、自家消費型の太陽光発電設備も含まれます。

事業者は、以下2種類のうち、好きな方を選択して適用可能です。

  • 即時償却
  • 取得価額の10%(または7%)の税額控除


「即時償却」を選んだ場合、太陽光発電設備の取得価額を、購入した年の一括経費にできます。

これにより、太陽光発電設備を購入した年に、大幅な節税が可能です。

 

ただし、太陽光発電設備の減価償却ができなくなるぶん、2年目以降の節税効果は低くなります。

「取得価額の10%の税額控除」を選んだ場合、太陽光発電設備の購入価額の10%を、その年の課税所得額から控除できます。(資本金が3,000万円を超えている場合は、税額控除は取得価額の7%です)

 

太陽光発電設備を購入した年は、課税所得額が安くなるぶん、法人税や所得税も安くなります。

2年目以降も、太陽光発電設備の減価償却による税金対策が可能です。

そのため、太陽光発電設備の購入初年度に大きく節税したいという方には即時償却が、2年目以降も税金対策したいという方には税額控除がおすすめです。

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太陽光発電投資の節税のまとめ

太陽光発電投資では、設備の購入価額を、法定耐用年数にわたって経費に計上できます。

太陽光発電設備は高額なため、税金対策できる額も大きくなります。

自家消費型の太陽光発電なら、減価償却による節税効果に加えて、即時償却か10%の税額控除のどちらかを適用して、さらなる税金対策が可能です。

そのため、売電収入を得ながら税金対策したい方は投資型を、税金対策が目的なら自家消費型を選ぶといいでしょう。

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